Q48:遺言執行者を第三者に依頼するメリットは何ですか?


A48

遺言書の中で遺言執行者の定めがない場合、相続人全員が協力しないと手続ができないものが多いので、遺言内容を快く思わない相続人がいると、遺言内容の実現がなかなか進まないという問題が生じます。

 

例えば、金融機関の預貯金口座は、遺言書の中で相続人の一人がすべて相続する旨の遺言書をその本人が持参しても、相続人全員が銀行所定の相続届出用紙に実印の押印をして全員分の印鑑証明書を提出しないと解約払戻しに応じてくれません。

 

そこで、遺言執行者を就けることで、非協力的な一部の相続人や相続人全員の協力を得ずして、遺言内容の実現を図ることができるようになります。

 

遺言書の中では執行者の定めがなくても、相続発生後に相続人や受遺者から家庭裁判所に対し、遺言執行者選任の申立てをすることが可能です。

 

遺言執行者となる者は、司法書士・弁護士等の法律専門家でなくとも、相続人や受遺者がそのまま就任することも可能です。

 

しかし、遺言執行事務は、場合によっては相続人の調査から始まり、相続人・受遺者への連絡、遺産の調査・確認、預貯金口座の解約払戻手続き、ゴルフ会員権・リゾート会員権の売却手続き、土地・建物の所有権移転登記手続き、執行事務の完了報告等様々で、煩雑な手続きも多くございます。

 

また、遺言執行者は、就任後遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しな ければならない(民法第1011条)という義務を負いますので、一般の方がすべて自分で執行事務をこなすのは非常に困難となる場合もあります。

場合によっては、遺産の取り分の少ない相続人から遺留分減殺請求を受けることもあります。

 

これらに対する早期かつ適切な対応をとることが、円満相続への第一歩となりますので、総合的に考え、法律専門家に執行事務を任せるということも選択肢の一つであると思います。

 

遺言執行者は、遺言書の内容を早期かつ忠実的確に実現するために相続人同士の利害を調整しながら、適正な相続手続きをすべき人ですから、相続人・受遺者にとっても法律専門職の遺言執行者がいることは大きな安心を得ることができると思います。